汎太平洋不動産鑑定士・カウンセラー会議(PPC)が京都で開催されました。

 第28回汎太平洋不動産鑑定士・カウンセラー会議(PPC)が9月26日から29日まで、日本不動産鑑定士協会連合会の主催で、京都市の京都国際会館で開催されました。同会議は1959年にオーストラリアのシドニーで開催されて以来、2年ごとに不動産鑑定士の抱える問題などをテーマに開催されております。今回は参加国13カ国、参加人員は250人前後の参加でした。

 会議は実質27日と28日の2日間あり、私は朝から夕方までのすべての会議に参加しました。英語で論文発表が行われ、同時通訳で日本語もありましたのでついつい頼ってしまいます。

 基調講演は建築家の安藤忠雄さんで、タイトルは「土地の価値を上げる」で、六甲の集合住宅や札幌市南区の真駒内滝野霊園の「頭大仏」を題材に講演されました。「頭大仏」は初めて知りまして、その発想の転換力やそのスケールの大きさや報酬の大きさにびっくり致しました。簡単に言えば、大きな大仏を単にみせるのではなく、頭以外を隠すことで、その存在感を100倍にするような発想です。

 さて、九州からは、研究所所属で大学の後輩の山﨑鑑定士が流ちょうな英語で講演され(彼の応援が一番の目的)、タイトルは「定期借地権を利用した空家の利活用」でした。

 たくさんの論文の中で一番驚いたのは、韓国の女性鑑定士が「市場データーのない土地価格評価」というタイトルで、朝鮮半島が統一されたあとの北朝鮮の土地価格について発表されたことでした。

会議後の懇親会では、台湾のフレンドリーな若い男女の鑑定士と少しだけ懇意になり、来年2月に台北で再会する約束を致しました。以下は京都国際会館の写真です。

(株式会社第一鑑定リサーチ 不動産鑑定士 吉田稔)