県全体として住宅地、商業地とも下落率はさらに縮小し、ほぼ全ての市町村で下落幅が縮小している。
一方、福岡市では住宅地27ポイント、商業地で10ポイントで地価が上昇しました。
平成24年地価公示(平成24年1月1日時点の価格)結果が発表されました。
福岡県平均では住宅地で20年連続の下落、商業地で4年連続の下落でしたが、下落率は工業地も含めて縮小傾向にあります。
【住宅地】
都心回帰傾向にある中で、福岡市の住宅地は戸建住宅やマンションの需要が引き続き回復傾向にあり、中央区、早良区、城南区、西区の市中央部から西部においては底堅い動きが見られました。
総額3,000万円前後の新築住宅がよく売れています。また、早良区西新エリアを中心にマンションの売れ行きは好調で、マンション業者の素地の取得競争が激しく高値取引が見受けられます。福岡市住宅地の平均変動率▲1.9%→▲0.9%でした。うち上昇地点27P、横ばい地点が23Pありました。
北九州市の住宅地は都心部でやや供給過剰傾向にあり、全体として平均3%弱の下落率を示しています。北九州市▲3.2→▲2.6%でした。
久留米市は全体としては縮小傾向であるが、旧郡部や郊外は概ね昨年並みである。中心部のマンション素地需要は旺盛で、販売も好調であるが、やや供給過剰感があります。戸建住宅は中心部の需要は底堅いが、郊外部は苦戦しています。全体としては弱含みであります。久留米市▲2.8%→▲2.1%でした。
筑紫野市、大野城市、春日市、太宰府市の旧筑紫郡の市町は下落率が概ね1%程度で、福岡市のベッドタウンとして需要は多く、地価は底堅く推移しています。
その他大牟田市が▲3.8%→▲3.7%、飯塚市▲3.4%→▲3.2%、柳川市▲3.7%→▲3.2%
行橋市▲2.4%→▲2.0%、宗像市▲4.1%→▲3.0%、朝倉市▲6.1%→▲5.5%でした。
【商業地】
商業地は平成20年に+1.4%と16年ぶりに上昇しましたが、その後4年連続の下落でした。ただし, ほぼ全ての市町村で下落幅が縮小しました。
福岡市の商業地は、昨年3月のJR博多シティの開業で九州新幹線全線開業の効果が見られ、博多駅前地区を中心に地価の上昇が見られました。天神地区は、博多駅地区に客足を奪われている面がある一方で、新規出店も見られたり、収益物件や事業用不動産がいい価格で取引されるなど一等地は比較的落ち着いた動きを 示しています。福岡市商業地の平均変動率▲3.9%→▲1.6%でした。うち上昇地点10P、横ばい地点が10Pありました。
北九州市は、消費が福岡市に流れたりして先行き不透明感があり、依然として下落傾向です。現時点で格別の要因はなく停滞感が引き続きあります。北九州市は▲4.1%→▲3.4%でした。
久留米市は▲6.0%→▲3.5%と依然として下落率は大きいですが、マンション素地の需要回復を受けて縮小しました。中心部のアーケード街の空き店舗の多さや、日吉町の歓楽街の衰退が著しいです。
その他大牟田市が▲4.9%→▲4.4%、飯塚市▲6.4%→▲6.2%、柳川市▲6.5%→▲5.1%
行橋市▲4.6%→▲4.2%、宗像市▲2.5%→▲2.1%、朝倉市▲6.2%→▲4.6%でした。
【工業地】
工業地は円高、震災の影響、電力供給不安等を背景とした景気の停滞より、企業収益の悪化や設備投資意欲の減退等から相変わらず下落傾向にありますが、景気回復期待から下落幅はやや縮小傾向にあります。
準工業地▲3.5%→▲2.7%、工業地域▲3.0%→▲2.7%でした。
*地価公示結果による最高価格地
住宅地:福岡中央-2 大濠1丁目 501,000円/㎡(+1.4%)
商業地:福岡中央5-9 天神1丁目 5,780,000円/㎡(±0%)
*地価公示結果による上昇率1位
住宅地:福岡中央-5 六本松4丁目 213,000円/㎡(+2.4%)
商業地:博多5-1 博多駅前3丁目 2,320,000円/㎡(+5.9%)
*地価公示結果による下落率1位
住宅地:小郡-1 小郡市津古 39,900円/㎡(▲12.1%)
商業地:八幡西5-6 黒崎2丁目 166,000円/㎡(▲8.3%)
*現在の特徴的な動きとしては、金余りや低金利を背景に一棟の賃貸マンション等や店舗ビル等への投資家の購買意欲は旺盛である。またマンション素地の取得競争が激しく、中央区、早良区の地下鉄沿線を中心に高値取引が多くなっていることが挙げられる。