平成21年の住宅地、商業地の地価下落率は平成20年よりやや拡大し、特に福岡市の商業地下落率は10%を越えました。
平成22年地価公示(平成22年1月1日時点の価格)結果が3月下旬に発表になりました。
福岡県全体では、全用途下落し、住宅地が14年連続の下落、商業地が2年連続の下落でした。
平成18年、19年と大幅な上昇だった福岡市博多区、中央区商業地の地価は平成20年、21年と二桁の下落となりました。要因は、リーマンショック後の不況により、①賃料下落と空室率の拡大②金融機関の不動産融資に消極的③ファンドが出口で購入できない等が主要因でした。
ピークからかなり地価が下がり、一部の中心商業ビルの取引があったり、大手デベロッパーが用地取得を始めたりと、潮目が変わったわけではないけれど、地価の底値をさぐるのがこの一年ではなかろうかと思います。したがって、現在は既に下落幅は縮小傾向にあります。
来春の新博多駅ビルの完成と、九州新幹線の全面開通が起爆剤になると期待されています。
そのためには併せてアメリカ経済の回復、日本の株価の上昇、政治の安定等を前提として、金融機関等のの消極的から普通以上の融資姿勢への転換が行われることが健全な不動産市場を形成し、地価が安定し、あるいは反転する条件だと思います。
売れ筋の物件としては、2~5億までの富裕層向け一棟売りの賃貸マンションは売れ行きがよく、品薄状態が続いています。また総額が小さい1,000万円代の中古の戸建て住宅とマンションは比較的堅調です。
①ローン減税 ②住宅資金の贈与税の非課税枠拡大 ③住宅ローンが低利④家賃並か以下で買える等が要因です。今後は住宅版エコポイントの活用もありリフォーム市場の拡大が期待されています。
*地価公示結果による最高価格地
住宅地:福岡中央-2 大濠1丁目 494,000円/㎡(▲7.7%)
商業地:福岡中央5-9 天神1丁目 5,780,000円/㎡(▲16.2%)
*地価公示結果による上昇率1位又は下落率最小
住宅地:太宰府-9 観世音1丁目 86,200円/㎡(▲0.3%)
商業地:門 司5-7 浜町 110,000円/㎡ (▲0.9%)
*地価公示結果による下落率1位
住宅地:博多-12 上呉服町 143,000円/㎡(▲8.9%)
商業地:福岡中央5-3 大名 1丁目 720,000円/㎡(▲18.6%)