地価動向は一時期の急落傾向から脱し、全体として緩やかな下落傾向に移行している。
 国土交通省は主要都市の商業地、住宅地で四半期(3ヶ月)ごとに実施する地価動向報告(平成21年7月1日~平成21年10月1日)を発表しました。
 それによりますと商業地では、天神地区が3~6%下落で前期と同じで二期前よりはマイナス幅は縮小しました。大名・赤坂地区は前期及び二期前と同じ6~9%下落でした。大濠地区は0~3%下落で前期よりは下落幅が縮小しました。
 天神地区の店舗は、景気後退による売上げ減少により店舗の撤退が出始め、その後の店舗誘致に苦慮している状況です。事務所も既存ビルは周囲の新築ビルにテナントが移っており、空室率は改善されていなません。但し、天神地区一等地の希少性及び将来性は揺るぎなく、潜在的な需要は根強いものがあります。
 大名・赤坂地区のテナント誘致は厳しく、空室率は改善されていません。大名地区の店舗の空きは目を覆うものがあります。事務所は天神地区が苦戦の中、補完的なエリアのためそれ以上に厳しいです。
 大濠地区等の一等の住宅地においては、希少性や居住環境や利便性の高さから引き合いは比較的多く、いい値段の取引が見受けられるようになってきました。また5億円未満の住居系の収益物件は個人投資家の需要が多く品薄感があります。一般的にマンションの在庫は減少傾向にありマンション素地取得の動きが一部に出ていますが、地価はまだ下落傾向にあります。

大濠公園
百道浜の高層マンション

 一時期の急落傾向の時期からは脱し、下落幅は一部で縮小傾向が見受けられます。しかしながら、円高や景気の長期低迷さらには公共事業の減少が見込まれることから、一段の急落を予測する声も多いです。新政権による速やかな景気対策が望まれます。