天神地区・博多駅周辺・大濠地区は上昇、大名赤坂地区は下落傾向でした。
国土交通省は、主要都市の商業地及び住宅地の、四半期(3ヶ月)ごとに実施する地価動向報告(平成25年1月1日~平成25年4月1日の3ヶ月間)を発表しました。
それによりますと、天神地区・博多駅周辺及び大濠地区が0~3%の上昇、大名赤坂地区が0~3%の下落傾向でした。天神地区が横ばいから上昇に転じています。
博多駅周辺は前回に引き続き上昇傾向で、JR博多シティの開業を契機としたショッピング客の増加や九州新幹線開業効果による博多駅周辺地区の相対的地位の上昇に伴い、ホテル用地を中心として引き合いが多い。最近はオフィス用地やホテル用地や結婚式場などでの引き合いが出できています。最近は路線価を大きく上回る事例も見受けられる。博多駅中央街の再開発計画が具体化しつつあり、2016年度の完成が待ち望まれています。
天神地区は博多駅地区への消費の流出が見られたが、徐々に回復してきています。ファンドバブル期に建設された大型ビルが相次いで売買されており低金利を背景として投資市場は活発で、取引利回りは低下傾向にあり、地価は上昇傾向であります。
新規のビル供給も少ないことから空室率は改善傾向にありますが、賃料自体は横ばい傾向であります。天神2丁目や西通りの店舗賃料はごく一部を除き、坪5万円が上限であり、店舗賃料も概ね横ばい傾向です。その他、ブライダル産業やビューティ産業については安定した引き合いがあり、九州初出店に天神地区が選ばれています。
大名赤坂地区は、裁判所等の移転や警固断層問題から新規のオフィスビル用地需要が乏しいため相変わらず地価は下落傾向で推移しています。飲食店舗やカラオケ店等は競争が激しく売り上げの減少が続いており、オフィス及び店舗賃料も下落傾向で、しばらくはこの傾向が続くものと予測されます。
大濠地区は、マンション適地への需要が大きいため、地価はやや上昇傾向です。一般的に交通利便性及び居住環境、教育環境が高い中央区や早良区のマンションはよく売れており、大濠に限らず西新地区等を中心に上昇傾向にあります。今後は消費税の増税や建築材料費・人件費の上昇やここ一年相当量の物件が供給されていますで、素地取得にやや慎重になる時期に来ています。
以上が1月1日から4月1日時点までの概要です。
とにかく今年に入り前期はよく不動産が動いており、不動産市場は活況を呈しています。そして、じわじわと地価上昇エリアは拡大中であることを実感しています。
一方で加熱していましたマンション素地取得につきましては、建築費の高騰がネック になっており(ここ一年で15~20%上昇)慎重かつ大胆な判断が企業者に求められています。
また、一棟の収益物件は、数年前まで動かなかったやや古型化した物件なども動いており、キャップレートは総じて横ばいから低下傾向にあります。
戸建住宅の販売も好調で空前の低金利に支えられよく売れています。したがって、福岡市内では中央部から西部地区の鉄道沿線を中心に住宅地域も地価はやや上昇しています。