天神の商業地地価は横ばいとなりました。博多駅周辺微減から横ばい傾向です。
 国土交通省は、主要都市の商業地及び住宅地の、四半期(3ヶ月)ごとに実施する地価動向報告(平成22年1月1日~平成22年3月31日の3ヶ月間)を発表しました。

 それによりますと商業地では、天神が±0%で横ばいとなりました。博多駅前地区は0~3%下落で前回と変わりませんが、限りなく横ばいに近づいているようです。大名・赤坂地区は前期の6~9%下落から3~6%下落となり下落幅が縮小しました。大濠地区は前回と同じで0~3%の下落で、総じて落ち着きを取り戻しています。

 天神地区は3月にパルコがオープンし集客力が増しており、また天神一等地でのビルの売買が見られたり、賃料下落も一服感があり、横ばい傾向になりました。空室率も高水準ではありますが安定してきてますので、景気の回復にしたがって徐々に解消されるのではないかと思います。天神の一等地が横ばいになると徐々に周辺部の地価も落ち着きを取り戻していくものと思料します。

天神四つ角付近
天神新天町西側入り口付近

 博多駅前地区は駅周辺の大型物件の動きが見受けられるようになり、来年3月の九州新幹線全線開通への期待が徐々に大きくなっています。空室率の上昇に歯止めがかかり稼働率は徐々に高まっていくものと予測されます。大きな動きはやはり2011年に入ってからになるでしょう。

 大名・赤坂地区は、事務所の空室率や賃料の下落傾向が改善されつつあるため少しずつ落ち着きを取り戻しています。但し、下落傾向には変わりなく、店舗についてはテナント誘致が厳しい状態が続いています。裁判所の移転計画や天神への一極集中がマイナス要因となっています。

赤坂読売ビル前付近

 大濠地区は、大手デベロッパーがマンション素地の積極的な取得へシフトしており、当該地域でマンション適地があれば相応の価格での取引が予測されます。但し、高級マンションはやや苦戦中であるため、取得価格が競争で著しく高くなることはないと思料します。全体としてマンション市況は回復傾向にあります。

上) 百道中学校の運動会の様子 背景のマンションは市住宅供給公社分譲のクリスタージュマンション
(大濠地区と併称される高級マンション街です)

 天神地区が横ばいとなったことで、市場に多少は安心感がでています。緩慢な景気回復局面であるため、広がりは遅いものと思われますが、来年春の新博多駅ビルの開業及び九州新幹線の全面開通時までに更なる回復が期待されます。

 個人的には博多駅前地区は横ばいと考えております。周辺の高級住宅地も下落幅の縮小傾向が見受けられ、一部を除き市場性のあるエリアでは、市内の大半で下落幅は縮小傾向だと思います。