天神・博多駅前地区の商業地地価は下落幅が縮小傾向にあります。

 国土交通省は、主要都市の商業地及び住宅地の、四半期(3ヶ月)ごとに実施する地価動向報告(平成21年10月1日~平成22年1月1日の3ヶ月間)を発表しました。

 それによりますと商業地では、天神・博多駅前地区が0~3%下落で、前期の3~6%下落よりマイナス幅が縮小しました。大名・赤坂地区は前期と同じ6~9%の大幅下落でした。大濠地区の住宅地は前期と同じ0~3%の下落で落ち着きを徐々に取り戻しつつあります。

 天神地区の更地売買は見受けられません。Jリートが商業ビルを購入する等、一部に投資を再開しようとする動きが見られるものの、全体としては様子見模様です。店舗については、パルコの出店による競争の激化が予測されること、消費者の購買意欲が相変わらず低調であることから店舗の収益状況が厳しくなっています。事務所は、新築ビルの稼働率の上昇で既存ビルの賃料下落に歯止めがかかってきています。全体として地価は落ち着きを取り戻しつつある状況であります。

まもなくオープン予定のパルコ(天神四つ角)

 博多駅前地区は、小規模取引は見受けられるものの、全体として様子見模様であります。博多駅の駅内店舗の一部のオープンにより多少は活性化したものの、新博多駅ビルの全面オープンが待ち望まれます。ホテル用地の需要は旺盛でありますが、事務所等のテナント誘致合戦は熾烈を極めており、空室率は依然として高く、賃料は底ばい状況にあります。全体としては、新博多駅ビルの完成及び九州新幹線の全面開通への期待が大きく、全体として地価は落ち着きを取り戻しつつある状況であります。

 大名・赤坂地区は、天神地区に大型店舗が進出予定で、商品構成が競合する大名地区への影響は大きいと予測され、地区内の店舗は撤退、移転等の話が多く、賃料は下落傾向にあります。その他裁判所の移転計画があり、その推移動向を見極めるべく投資家も当該地区への投資には慎重になっています。

大名・中央区役所南側(弊社入居のビル付近)

 大濠地区の住宅地においては、希少性があるため引き合いは多いものの、個人の所得環境の厳しさから、新築マンションの買い控え傾向が続いているため、総じて地価は下落傾向にあります。大手デベロッパーは一等地での土地の仕入れに動いていますが、地場企業は大手と共同体で開発する以外は単独企業では融資環境の厳しさからほとんど動きがない状況であります。

 天神の一等地での取引が見受けられるようになったこと。天神地区で岩田屋本店跡にパルコが出店間近であること。九州新幹線の全面開通が来年に迫っていること等の明るい材料もあり、地価下落幅は縮小傾向になっており、一部を除き落ち着きを取り戻しつつあります。

 最後に私の母が2月8日に永眠いたしましたため、更新が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。下記の写真は法要の準備で帰省中に撮影した島原の写真です。父と母のふるさとであり私のふるさとです。雄大な普賢岳と眉山が亡き両親を偲ばせます。

ふるさと島原です。中央の雲がかかっているのが平成新山、左側の小高い山が眉山です。
のどかな島原の田園風景です。