令和元年度相続税路線価が発表になりました。
6月下旬に最も遅い梅雨入りしました。水不足の解消が期待されるつもりが、大雨洪水警報が発令されたり災害含みの大雨になりそうな天気が続いています。九州中部から南部は特に心配ですが大事に至らないことを願います。
福岡市では博多祇園山笠も1日から始まりました。また夏の高校野球福岡県大会の予選が6日から始まる予定でいよいよ夏がやってきそうです。ジメジメした天気が続きますので、熱中症を始め、体調には気をつけて今年の夏を乗り切りたいと思います。皆様もどうぞご自愛ください。
さて、国税庁は7月1日に相続税や贈与税の算定基準となる2019年分の路線価(1月1日時点)を発表しました。全国約32万9千地点(標準宅地)の平均変動率は前年比1・3%プラス(前年は0・7%増)となり、変動率の調査を開始した1992年以降、初めて4年連続で上昇したそうです。九州7県の平均は1・6%増(同0・8%増)となり、3年連続プラス。福岡県は3・6%増(同2・6%増)で4年連続プラスでした。相続税路線価格は、平成31年地価公示価格に概ね連動しており、双方とも標準宅地を不動産鑑定士が鑑定評価を行った上で、最終的に当局が適正な価格を判断し、その概ね80%をもって公表しています。
ここ数年、インバウンドの増加や日銀の超低金利政策などを背景に、ホテルやオフィス向けの需要が堅調に推移し、天神ビッグバンの進展に伴い、大型ビルの立ち退き取り壊しがあり、移転店舗、事務所の需要増、一方でここ数年の慢性的な床不足もあり賃料は上昇しています。利便性の高い地域を中心に、各地で進む再開発や旺盛な不動産投資が市況をけん引し、その影響はますます周辺市町村へ波及しています。
路線価トップは34年連続で東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通りで、1平方メートル当たり前年比2・9%増の4560万円と、3年連続で過去最高を記録しました。九州の最高は39年連続で福岡市中央区天神2丁目の渡辺通りで、12・4%増の787万円でした。
県内18税務署ごとの最高路線価をみると、小倉、博多、香椎、福岡、西福岡、筑紫、久留米、甘木、八女、行橋の10署で上昇。このうち、香椎と筑紫の地点は、福岡市中心部の天神や博多へのアクセスに優れている点などから、上昇率がともに18・2%増でした。久留米と甘木は27年ぶり、行橋は24年ぶりの上昇。横ばいは門司、八幡、大牟田、直方、田川の5署。下落は若松、飯塚、大川の3署でした。
(参考資料)平成31年地価公示における福岡県内の状況 【価格上位】
(住宅地)
1位:福岡中央-2:大濠1-13-26 56,000円/㎡ +12.4%
2位:福岡中央-20:今泉2-1-40 47,000円/㎡ +8.3%
3位:福岡中央-22:薬院4-17-20 15,000円/㎡ +8.6%
(商業地)
1位:福岡中央5-9:天神1-11-11天神コアビル 800,000円/㎡ +12.4%
2位:博多5-1:博多駅前3-2-1日本生命博多駅前ビル 930,000円/㎡ +17.2%
3位:福岡中央5-1:天神2-7-6DADAビル 610,000円/㎡ +8.9%
【変動率上位】
(住宅地)
1位:福岡中央-10:草香江2-12-16 437,000円/㎡ +16.5%
2位:福岡東-42:千早4-10-1 205,000円/㎡ +15.8%
3位:福岡中央-21:港2-2-24 276,000円/㎡ +14.5%
(商業地)
1位:博多5-16:博多駅前4-20-16 688,000円/㎡ +25.5%
2位:福岡中央5-20:天神4-2-34 1,070,000円/㎡ +22.6%
3位:博多5-21:祇園町4-60博多祇園プラザビル 1,290,000円/㎡ +21.7%
【変動率下位】
(住宅地)
1位:八幡東-7:藤見8-49 24,300円/㎡ ▲4.0%
2位:大牟田-16:七浦町70 18,500円/㎡ ▲3.6%
3位:嘉麻-3:熊ケ畑字柳町1367-1ほか 3,660円/㎡ ▲3.4%
(商業地)
1位:田川5-1:伊田町15-34 27,100円/㎡ ▲3.6%
2位:飯塚5-1:本町15-2 52,600円/㎡ ▲3.0%
3位:若松5-1:本町2-7-14 79,800円/㎡ ▲2.9
(株式会社第一鑑定リサーチ 不動産鑑定士 吉田稔)